産科 Obstetrics

NIPT(新型出生前遺伝的検査)

NIPTについて

出生前検査のうち先天異常の可能性を判定する非確定検査として

  • ・コンバインド検査
  • ・母体血清マーカー検査(トリプルマーカー、クアトロテスト)
  • ・新型出生前診断(NIPT)  があります。

NIPTとはNon-Invasive Prenatal genetic Testingの略称で、妊娠中のお母さんの血液から赤ちゃんの染色体異常を調べる検査で、お母さんから採血をして行います。これにより、ダウン症など染色体異常のリスクを評価することができます。  お母さんや赤ちゃんに痛みやリスクはほとんどありません。 同じく採血のみのクアトロテストも検査の負担は少ないですが、検査の精度を比較するとNIPTのほうがより感度・特異度が高く100%近くです。 ただし、NIPTはあくまでスクリーニング検査であって確定診断ではありませんので、異常が見つかった場合は、絨毛検査や羊水検査などの確定検査が必要です。

NIPTについてはこちらのサイトに詳細な説明があります。 ぜひご一読ください。

当院は出生前検査認証制度等運営委員会において、金沢大学付属病院のNIPT連携施設として正式に認証をうけています。

NIPT対象の染色体疾患について

● 21番目の染色体が1本多い21トリソミー 
(ダウン症候群)

受精した際に21番目の染色体が3本できることにより起こります。年齢が上がると不分離の確率が増えるため、高齢妊娠では21トリソミーが増加します。ダウン症は21トリソミーによっておこる疾患群で、運動や知的な発達が遅れたり先天心疾患などの病気が合併することがありますが、その程度は個人差がありほとんどの人は学校生活や社会生活を送っています。

● 18番目の染色体が1本多い18トリソミー 
(エドワーズ症候群)

95%は妊娠経過中に流産や死産になるといわれています。生まれてきても生後2か月までに半数が死亡、1年生存できるのは10%と言われています。90%に先天性心疾患が合併し、運動や知的な発達の遅れや成長の遅れも見られます。小児慢性特定疾病に認定されており、手厚いサポート体制があります。

● 13番目の染色体が1本多い13トリソミー 
(パトウ症候群)

95%は流産や死産になるといわれています。心臓や神経系、消化器系に複数の合併症をもっていることが多く、出生した場合も1年生存できるのは約10%と言われています。小児慢性特定疾病に認定されており、手厚いサポート体制があります。

  • グラフ
  • 母体年齢別の染色体疾患の出生率

NIPTを受けられる方へ

1)対象

  • ・染色体疾患(21トリソミー・18トリソミー・13トリソミー)に対する不安が強い方
  • ・エコーや母体血清マーカー検査(クアトロテスト)で胎児が染色体疾患をもつ可能性を指摘された方
  • ・染色体疾患をもつ胎児を妊娠したことがある方
  • ・両親のどちらかに均衡型ロバートソン転座がある方(ダウン症候群または13トリソミーとなる可能性がある)
  • ・原則30歳以上の方
  • ・他院に通院中の方でもお受けできます(※注意事項あり)

【かならず守っていただきたいこと】

  • ※NIPTの前に 遺伝カウンセリング を受けていただきます。
  • ※遺伝カウンセリングはご本人およびパートナーご一緒に受けていただきます。

【他院に通院中の方へのお願い】

『妊娠がわかったみなさんへ』と、『NIPT』を一読してください。

『妊娠がわかったみなさんへ』
『NIPT』

かかりつけ医からの紹介状が必要です。

2)遺伝カウンセリング

※ 日本産科婦人科遺伝診療学会認定医が担当します。

受けられる期間 妊娠10週0日 ~ 13週6日まで
実施日 月曜・水曜・金曜 午後2時00分(1日1組)(要予約)
※カウンセリング前に問診や動画視聴がありますので午後1時15分にはご来院ください。
※実施日時については応相談(今後拡大していく予定です)
所要時間 30分
完全予約制 ご予約はお電話のみでお受けします 076-237-1135 スマートフォンで電話番号をクリックすると電話がかかります↑ クリックすると電話がかかります
お電話は診療時間内でお願いします。また、来院者で混み合う午後5時以降はご遠慮ください。
メールでのご予約はお受けできませんのであらかじめご了承ください。

3)NIPT(新型出生前遺伝的検査)

受けられる期間 妊娠10週0日 ~ 14週6日まで
実施日
※一部予約制
  • ・NIPTのみはお受けできません。
    かならずNIPTの前に遺伝カウンセリングをパートナーとご一緒に受けてください。
  • ・ 遺伝カウンセリングと同日ならばご予約は不要です。
  • ※遺伝カウンセリングとは別の日時でNIPTを受けたい場合は、かならずお電話でご予約ください。
検査について
  • ・採血のみの検査です。 1~2週間後に結果が出ますので、再来院のうえ説明を受けていただきます。

【検査結果についてあらかじめ知っておいてほしいこと】

  • ・「陽性」「陰性」「判定保留」のいずれかで報告されます。
  • 「陰性」の結果が出ても、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの染色体異常がみられる確率は0.01%(10,000人に一人の確率)あります。
  • 「陽性」の結果が出ても、赤ちゃんに何も異常がないケースがあるため、陽性の場合は金沢大学附属病院で遺伝カウンセリングを受けていただき、確認のため羊水検査などの確定検査を受けるかどうかを考えていただきます。陽性的中率は、年齢が高いほど高く(21トリソミーの場合40歳で95%、35歳で80%、30歳で45%)、若い妊婦さんは低い傾向にあります。
  • ・0.3~0.4%の確率で「判定保留」の結果が出ることがあります。母体血液中の胎児DNAの濃度が低い場合や母体の病気(母体の染色体異常、子宮筋腫や悪性腫瘍)が原因として考えられますが、この場合には再度NIPTを再検査するか、確定診断の羊水検査をするか、NIPTでの検査をあきらめるかを選択していただくことになります。

4)料金(すべて税込価格)

遺伝カウンセリング 1回目 (30分) 8,800円
2回目 (30分) 4,400円
NIPT
(非侵襲性出生前遺伝的検査)
200,000円
クアトロテスト
(母体血清マーカー検査)
22,000円
  • ※ 来院時、『料金確認書』を確認のうえ署名をしていただきます。
  • ※ NIPTのお会計は前払いでお願いします。(遺伝カウンセリングと同日の場合は合算でお願いします)
  • ※ カードでのお支払いは、VISAまたはマスターカードの一括払いでお願いします。

5)来院時に持参していただきたいもの

  • ・マイナンバーカードまたは保険証(カルテ作成のため)
  • ・他院に通院中の方 : かかりつけ医の紹介状(ダウンロードして記入の上ご持参ください)

【遺伝カウンセリング問診票】

ダウンロードして記入の上ご持参ください。

遺伝カウンセリング問診票

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