婦人科 Gynecology

不妊治療

不妊症の原因

不妊症の原因を明確に特定するのは難しく、複雑な要因が絡み合っている場合がほとんどです。

女性側の原因
  • 1.卵管が閉じていて受精できない、生まれつき子宮の形に問題があるなど、器官の形状に問題がある場合。
    ときには手術を要する場合もあります。
  • 2.無排卵、からだを温める黄体機能の作用が低下しているなどの、臓器やホルモンの働きに問題がある場合
男性側の原因 精子形成障害・性交障害(ED)・射精障害などがあります。

不妊症の検査

月経周期に合わせて適切な時期に必要な検査がおこなえるよう、相談しながら検査スケジュールを立てます。

①基礎体温

基礎体温の推移から排卵があるかどうかがわかります。不妊の心配がある方は、受診前の1~2ヶ月間、基礎体温をつけて持参いただくと参考になります。
基礎体温表はココからダウンロードできます。

②帯下(おりもの)
培養検査
細菌感染やクラミジア感染の有無を調べます。性感染症は、自覚症状がないまま感染が進み不妊の原因になることもあります。
③ホルモン検査

不妊をもたらす排卵障害の原因をみつけるためにおこないます。異常があればさらに精密なホルモン負荷試験(LH-RH検査)をおこないます。

  • 低温期におこなうもの
    FSH(卵胞刺激ホルモン)LH(黄体化ホルモン)PRL(プロラクチン:乳汁分泌ホルモン) E2(エストロゲン)
  • 高温期におこなうもの
    P4(プロゲステロン)、 E2(エストロゲン)
④卵管通水検査 卵管がつまっていないか確認する検査で月経後2~7日目におこないます。
⑤超音波検査

ほぼ受診のたびにおこなう検査です。膣内に棒状のプローベを挿入しながら超音波を放射し、子宮や卵巣の状態を画像に表示し判読します。

  • 月経中
    卵巣内にある小さい卵胞の数をカウントし排卵する能力を見極めます。
  • 排卵後
    排卵誘発後にきちんと排卵しているか確認します。
  • 随時
    卵巣内の卵胞径を計測し排卵の予測を立てます。また子宮内膜の厚さを測定し、着床しやすい状態かどうかチェックします。
⑥頸管粘液検査

頸管粘液は排卵期に分泌量が増すことで精子が子宮内に侵入するのを助けています。
排卵の2、3日前にその量や性質を調べ、この機能がきちんと果たせているか確認します。

⑦性交後試験
(ヒューナーテスト)

排卵日におこなった性交後12時間以内に、子宮頸管粘液中の精子を調べる検査です。
精子があるかどうか、精子の運動能力がどうかを調べます。
あらかじめご夫婦の体調が良い日を実施日と決めておこないます。

⑧抗精子抗体検査 血液検査で調べます。女性側に抗精子抗体があると、精子が膣内に侵入してきた際に「異物」とみなし精子を攻撃したり受精を阻害するような反応がみられ自然妊娠が困難になります。
⑨精液検査 精子の濃度、運動率、奇形率、運動性などを調べます。

不妊症の治療

当院でおこなう治療はおもに『一般不妊治療』にあたります。

①排卵誘発 排卵がうまく起きるようにホルモン剤(内服や注射)を投与します。
②性交のタイミング指導 自然妊娠を目指して排卵日と性行為のタイミングを一致させます。
③漢方療法 妊娠しやすい体質改善に効果があります。
原因不明の不妊症の方が漢方で妊娠されるケースもあり未知なる可能性が期待できる治療法といえます。
④人工授精 排卵日に合わせて、精子を直接子宮の中に注入する方法です。

体外受精などの『生殖補助医療』はおこなっておりません。
当院での治療を一定期間続けた方の中でも医師が必要と判断したり、ご本人の希望があれば時期やタイミングをみながら生殖補助医療を実施している医療機関にご紹介いたします。

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